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「そろそろ子どもが欲しいな」「病院に行く前に自分でできることを試したいな」
そう思ったときに、何から始めれば良いのかを調べていくなかで「妊活」という言葉を目にする方も多いのではないでしょうか。
妊活にはさまざまな方法がありますが、その中でも比較的簡単に取り入れられるのが、食生活や栄養バランスの見直しです。
そこでこの記事では、妊活中におすすめの食べ物や避けたほうがいい食べ物について解説していきます。
Table of Contents
妊活において、食事は重大な役割を果たします。
適切な栄養摂取は、妊娠したときの体調管理だけでなく、胎児の正常な発達にも不可欠です。特に葉酸は妊娠初期の胎児の神経管(後に脳や脊髄になる器官)形成に重要な栄養素であり、妊活中から食べ物やサプリメントによって十分に摂取することが推奨されています。
妊活中の食生活の基本は毎日、主食と主菜、副菜がそろった栄養バランスのいい食事を摂ることです。主食からは炭水化物、主菜からはタンパク質、副菜からはビタミンやミネラルを摂取することで、必要な栄養素をバランスよく摂取できます。
また、生活習慣病の予防や改善のため、スナック菓子などの糖分・脂分が多い食べ物の過剰摂取、夜遅い時間の食事は控えめにし、規則正しい食生活を心がけましょう。これらの習慣は妊娠中や出産後の健康維持にも役立ちます。
妊活中で特に意識して摂取すべきなのは、以下の栄養素を含む食べ物です。
これらの栄養素が重要な理由と、含まれる食べ物について見ていきましょう。
タンパク質は体のあらゆる器官を構成するために不可欠で、妊活中に大切な栄養素です。魚や肉、卵、大豆製品などの食べ物から積極的に摂取することがおすすめです。以下に主な例を挙げます。
食べ物 | 100gあたりのタンパク質量 |
---|---|
さば | 20.6g |
ししゃも | 21.0g |
ぶり | 21.0g |
豚肉(バラ) | 14.0g |
牛肉(バラ) | 14.0g |
卵 | 12.0g |
納豆 | 17.0g |
絹ごし豆腐 | 4.9g |
参考:文部科学省ホームページ:「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
また、青魚(さんま・いわし・サバなど)にはオメガ3脂肪酸(※)、牛肉や豚肉にはは鉄分、大豆製品には食物繊維も豊富に含まれています。あさり、鳥・牛レバー、干しエビなども鉄分を多く含む動物性タンパク質として知られていますが、レバーはビタミンAが多く含まれており過剰摂取に注意が必要です。ビタミンAは妊娠中に過剰摂取することで胎児に先天奇形が起こる恐れがあり、妊活中から注意することが推奨されています。
(※)オメガ3脂肪酸:体内でつくられない必須脂肪酸で、細胞を修復したり、血液をサラサラにしたりする作用がある。主に脳や網膜などの神経系に取り込まれるDHAや、血液や血管の健康に作用するEPAなどがある。
鉄分は酸素の運搬に不可欠なミネラルで、妊活中から意識して摂取することが重要です。妊娠すると胎児の成長や母体の循環血液量の増加に伴い、より多くの鉄分が必要になります。鉄分が豊富な食べ物には以下があります。
食べ物 | 100gあたりの鉄分 |
---|---|
小松菜(ゆで) | 2.1mg |
大根葉(ゆで) | 2.2mg |
そらまめ(ゆで) | 2.1mg |
カシューナッツ | 4.8mg |
参考:文部科学省ホームページ「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
カルシウムは胎児の成長や出産後の授乳に重要な栄養素であるため、妊活中から積極的に摂取しましょう。妊娠から育児までに適した体をつくるために、意識して食事に取り入れることが大切です。カルシウムが豊富な食品には以下が挙げられます。
食べ物 | 100gあたりのカルシウム |
---|---|
ヨーグルト | 120mg |
牛乳 | 110mg |
わかさぎ | 450mg |
干しエビ | 7100mg |
ししゃも | 330mg |
参考:文部科学省ホームページ「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
妊活中の葉酸摂取は、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを抑えるために重要です。神経管閉鎖障害とは、妊娠初期に胎児の脳や脊髄などの神経管が正常につくられず、先天的な異常をきたす病気です。葉酸は主に以下のような緑黄色野菜に多く含まれています。
葉酸の具体的な摂取量に関しては、次の項目でも詳しく解説します。
食べ物 | 100gあたりの葉酸 |
---|---|
ブロッコリー(ゆで) | 120μg |
枝豆(ゆで) | 260μg |
芽キャベツ(ゆで) | 220μg |
ほうれん草(なま) | 210μg |
参考:文部科学省ホームページ「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
男性の妊活においても、栄養を意識した食生活は重要です。特にオメガ3脂肪酸、亜鉛、葉酸などを含む食べ物は、精子形成にいい効果をもたらす報告があります。
オメガ3脂肪酸のDHAや亜鉛は、精子を形成するのに関わる栄養素です。また、葉酸も精子のDNA損傷を抑えるはたらきがあることが数々の研究でわかっています。
亜鉛が豊富に含まれる食べ物は以下になります。
食べ物 | 100gあたりの亜鉛 |
---|---|
牡蠣 | 14.0mg |
かたくちイワシ | 7.2mg |
しらす干し | 3.0mg |
参考:文部科学省ホームページ「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
これらの栄養素を意識的に摂取することで、精子の質や量の改善が期待できるでしょう。日々バランスの取れた食事を心がけ、特定の食べ物に偏らないことも大切です。
妊娠を希望する女性は、通常の食事とは他に、サプリメントなどを利用して1日あたり400μgの葉酸を摂取することが推奨されています。ただし、過剰摂取にも注意が必要であるため、専門家の助言を受けながら適切な摂取を心がけることが望ましいでしょう。
参考:厚生労働省 e-ヘルスネット「葉酸とサプリメント-神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」
妊活中の葉酸摂取は、胎児の健康な発育にきわめて重要な役割を果たします。葉酸が足りていないと、本来であれば受胎(受精卵が子宮内膜に着床すること)後の約28日目に形成される胎児の神経管が上手くつながらず、神経管閉鎖障害が起こる可能性があるのです。
胎児に神経管閉鎖障害が発症すると、死産や流産の原因となったり、深刻な先天性異常を発症したまま赤ちゃんが産まれてきたりする可能性があります。多くの女性が妊娠に気づくのは、神経管が形成される時期が過ぎた後になるため、妊娠を計画している妊活中から葉酸を積極的に摂取することが推奨されているのです。
ここまで妊活中に摂取すべき食べ物について解説しましたが、避けたほうがいい食べ物についても知りたいところです。妊活中に避けたほうがいい食べ物は、主に以下が挙げられます。
これら3つについて詳しく見ていきましょう。
妊活中はトランス脂肪酸を含む食べ物の摂取を控えるべきです。
トランス脂肪酸はマーガリンやショートニングなど特定の食用油に含まれる成分です。マーガリンやショートニングは、揚げ物やファストフード、菓子パンなどに使用されることが多くあります。
トランス脂肪酸を摂取すると、心筋梗塞などの心疾患の発症リスクが高まるほか、海外の研究では不妊につながる可能性が報告されています。妊活中はトランス脂肪酸を含む食べ物をできるだけ控え、料理するときはオリーブオイルやアマニ油などの健康的な油を使用しましょう。
食中毒のリスクがある食べ物は、妊活中もできるだけ避けましょう。
注意が必要なのは、生肉やお刺身、生卵などです。これらの食べ物には食中毒を引き起こす菌やウイルスが存在する可能性があります。特に生肉には、トキソプラズマという寄生虫が存在することがあります。
妊娠中にトキソプラズマに感染すると、胎児が先天性トキソプラズマ症に感染するリスクがあるため、妊活中から注意する必要があります。また、トキソプラズマは猫との接触やガーデニングなどで感染する可能性があるため、飼い猫のウイルスチェックや、土に触れた後に手洗いをする習慣を身につけましょう。
アルコールやカフェインの過剰摂取は妊活中から避けましょう。
女性がアルコールを過剰摂取した場合、妊娠率が低下する可能性を示唆した報告があります。さらに、妊娠中にアルコールを摂取した場合、アルコールは胎盤を通過して胎児に移行し、低体重や形態異常、脳障害などの深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。
カフェインについては、妊娠率や胎児に直接的な影響があるわけではありませんが、血管を収縮させる作用がることから血流への影響が考えられ、体内に栄養が行きわたりにくくなったり、胎児への成長をさまたげる恐れがあります。特にエナジードリンクなどの高カフェイン飲料は控えるべきでしょう。
妊娠中のカフェイン摂取については、1日200〜300mg(マグカップのコーヒー約2杯分)までが目安とされています。
厚生労働省:「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~」
妊活中は食べ物以外にも、生活面で注意すべき点があります。ここでは、以下4つのポイントについて解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
妊活中は将来の妊娠と出産に向けて健康的な体づくりが重要です。そのために、毎日の運動習慣を心がけ、睡眠時間も十分にとりましょう。
妊娠中は体に大きな負担がかかり、出産にも相当な体力が必要になるため、妊活中から適度な筋力と体力をつけておくことが大切です。ウォーキングやストレッチなど、日常生活で取り入れやすい運動を続けるといいでしょう。
同時に、体の疲れやストレスをためないように、規則正しい睡眠習慣を身につけることも重要です。夜ふかしを避け、十分な睡眠時間を確保することで、心身ともにリフレッシュし、妊活に向けた良好なコンディションを維持できます。
体重管理は妊活において重要な要素です。特に過度な肥満は不妊につながる可能性があるといわれています。さらに、妊娠後の妊娠高血圧症候群のリスクが高まり、胎児の発達や出産リスクにも悪影響を及ぼす可能性があるのです。
一方で、妊娠前から痩せている場合や、妊娠中の体重増加が少ない場合は低出生体重や早産のリスクが高まることも知られています。そのため、妊活中は規則正しい食事や適度な運動を心がけ、適正な体重を維持するように努めることが大切です。
妊活をするのであれば、喫煙は必ず避けるべきです。喫煙は妊娠後の流産や早産、低出生体重児などのリスクを高める要因になるため、妊娠前から完全に禁煙することが強く推奨されます。自身が喫煙しないことはもちろんのこと、受動喫煙も含めて避ける必要があります。そのため、パートナーも同様に禁煙することが望ましいでしょう。
妊娠中に風疹に感染してしまうと、胎児の成長に重大な影響を及ぼす可能性があるため、できれば妊活前から予防接種を受けておきましょう。風疹は妊娠中に感染すると、胎児に先天性の難聴や心疾患などの「先天性風疹症候群」を引き起こす可能性がある感染症です。そのため、風疹の抗体を持っていない人は、妊活を始める前に風疹ワクチンを接種することが推奨されています。母体への感染を防ぐために、パートナーも接種することが望ましいです。
一般的に風疹ワクチンを接種した後は、体内で弱毒化されたウイルスが増殖するため、2ヶ月間の避妊が必要になります。そのため、できるだけ妊活をはじめる前に予防接種を済ませられると良いでしょう。
この他にも、妊活において食べ物以外にも気を付けることについては以下の記事で詳しく解説していますので、あわせてお読みください。
>>妊活で体質改善!妊娠しやすい体づくりのポイントを解説
この記事では妊活中におすすめの食べ物や、避けたほうがいい食べ物について解説しました。
妊活中はタンパク質や鉄分、カルシウム、葉酸などを意識した食事が必要です。特に葉酸は、胎児が神経管閉鎖障害を発症するリスクを抑えるために、妊活中からの摂取が推奨されています。
一方で、トランス脂肪酸を含む食べ物や食中毒リスクのある食べ物、過度のアルコールなどは妊娠したときの体に悪影響を及ぼす可能性があるため、できるだけ控えましょう。
妊活中は摂取する食べ物に気をつけるだけでなく、適度な運動習慣や体重管理、禁煙などの取り組みも重要です。
また、妊活には骨盤のゆがみを整えることもおすすめです。妊活に合った食べ物の摂取を心がけるだけでなく、骨格や体質の改善にも目を向けてみてください。健康的な妊娠と出産を目指していきましょう。
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