五十肩の治し方とは?症状・やってはいけないことなど解説

五十肩の治し方とは?症状・やってはいけないことなど解説

「ある日、急に肩が痛くなり腕が上がらない」「肩の激痛で眠れない」
このような症状があるなら、五十肩なのかもしれません。

五十肩になると、じっとしていても我慢できないほどの痛みを感じることがあり、日常生活に支障をきたします。
数ヶ月程度で治ることもありますが、治るまでに長期間かかることもあります。

この記事では、五十肩の原因と症状、治し方について解説します。
五十肩のときにやってはいけないことについてもお伝えしますので、五十肩でお悩みの方は参考にしてみてください。

五十肩とは

五十肩とは

五十肩とは関節痛の一種で、中高年の人に多く発症する原因不明の肩の痛みです。
医学用語では「肩関節周囲炎」と呼んでいます。

五十肩になると、最初のうちは肩に違和感を覚える程度ですが、そのうち症状が進行して痛みがひどくなると、肩を動かしにくくなります。
例えば、肩よりも上にある物を取りにくくなる、髪をとかしたり、結んだりするのが難しくなるといった症状が見られるようになります。

四十肩と五十肩の違い

四十肩と五十肩は、いずれも原因不明の肩の痛みの通称です。
両者の違いは、40代で症状が出れば四十肩、五十代で症状が出たら五十肩というだけで症状に違いはありません。

また、40代、50代でないと四十肩、五十肩にならないのかというと、そうでもありません。
若い人でも同じような肩の痛みに悩まされることがあります。

五十肩の原因

「肩関節周囲炎」という名称のとおり、五十肩は肩関節周辺の組織(骨、軟骨、腱、靱帯など)に炎症が起きることによって痛みが生じます。
加齢によって肩関節周辺の組織が老化することが炎症の原因と考えられているものの、明確な原因についてはまだ分かっていないのが実情です。

また、若い人にも発症することがあることから、巻き肩や猫背といった悪い姿勢や運動不足などの要素も関係していると考えられています。

五十肩の症状

五十肩の症状

五十肩の主な症状は肩から腕にかけての痛みです。
何もしなくても痛みを感じることがありますが、腕を上げる、腕を外側に回すといったときに強い痛みを感じることが多いのが特徴です。

例えば、以下のような動作がやりにくくなります。

  • 電車でつり革をつかむ
  • 洗濯物を干す
  • 髪をとかす、結ぶ
  • 背中のファスナーを上げる
  • 衣服を脱ぎ着する
  • エプロンの紐を結ぶ

など

このような症状が生じることから、普段やっている動作がやりにくくなり、日常生活に不便を感じる方も多くいます。

五十肩は、症状の進行や時間の経過などによって「急性期」「慢性期」「回復期」の3つに分けられます。
それぞれの時期によっても痛みの症状が異なるので、知っておくと便利です。

急性期

五十肩を発症して間もなくの痛みが最も強い時期です。
この時期には、肩を動かしたときだけでなく、何もせずにじっとしているときでも痛みを感じることがあります。

夜間など寝ているときにも痛みが強くなることがあり、痛みのあまり夜眠れないことも少なくありません。

慢性期

慢性期になると炎症が落ち着いて、ある程度痛みが和らぐ傾向にあります。

しかし、急性期に肩を動かす機会が減少したことで、関節が硬くなる拘縮(こうしゅく)という症状が見られる時期でもあり、肩の可動域が狭くなります。
腕を上げる、腕を外側に回すなどの動作が特に難しくなる時期です。

回復期

回復期には、痛みはほとんど感じなくなり、肩の可動域が広がって、少しずつ肩や腕が動かしやすくなります。
急性期や慢性期のときは難しかった腕を上げる、回す、ひねるといった動作がやりやすくなる時期です。

五十肩のときにやってはいけないこと

五十肩のときにやってはいけないこと

五十肩は対処方法を間違えると、なかなか治らない、症状が悪化するという事態につながることがあります。
五十肩のときにやってはいけないことは以下のとおりです。

痛みがあるときに無理に動かす

急性期の痛みが強い時期に無理に肩や腕を動かすと、炎症が悪化する恐れがあります。
五十肩で痛みがあるときは、できるだけ動かさないようにしましょう。

マッサージを受ける

肩に痛みがあると、「マッサージを受けるといいのでは?」と感じる方もいるかもしれません。
肩の痛みが肩こりによるものであれば、マッサージをすることで痛みが軽減することでしょう。

しかし、五十肩で肩周辺に炎症が起きている際にマッサージをすると、炎症が悪化してかえって痛みがひどくなることがあります。

肩こりと五十肩の症状は似ている部分もあるため、どちらか判断がつきにくいものですが、肩の可動域が狭く感じられるような場合は五十肩の可能性が高いです。
安易にマッサージを受けるのではなく、医療機関を受診するようおすすめします。

重い荷物を抱える・運ぶ

五十肩のときにやってはいけないこと 重い荷物を抱える・運ぶ

五十肩のときは、なるべく重い荷物を抱えたり、運んだりしないようにしましょう。
痛みがあるほうの肩で重い荷物を抱えると、肩に大きな負荷がかかるため、炎症が悪化するおそれがあります。

買い物などはキャスター付のバッグを活用する、お米などの重いものはネットスーパーや通販サイトを利用するなどの工夫をしましょう。

痛みがあるほうの肩を下にして寝る

痛みを感じるほうの肩を下にして寝ると、肩に大きな負担がかかり、症状が悪化したり、治りにくくなるおそれがあります。
できれば仰向けで寝るか、横向きなら痛くないほうの肩を下にして寝ましょう。

安静にして肩をほとんど動かさない

五十肩は痛みが強いときは安静にすることが大切であるものの、長期にわたって肩を動かさないと肩の動きが悪くなるおそれがあります。
痛みがある程度緩和されて炎症がおさまったら、様子を見ながら少しずつ肩を動かすようにしましょう。

適切なケアをせずに長い期間放置する

五十肩は、放置していれば自然と治るというものではありません。

適切なケアをしないと、痛みが悪化したり、なかなか治らなかったりして日常生活に不便が生じます。
また、関節が硬くなって肩が動かなくなるおそれもあるため、急性期・慢性期・回復期に合った適切なケアをおこなうことが大切です。

五十肩の治し方

五十肩の治し方

残念ながら「これをやれば即治る」という五十肩の治し方はありません。
しかし、症状に合わせて適切なケアをおこなえば痛みの緩和や早期での回復を目指すことができます。

ポイントは、急性期・慢性期・回復期とそれぞれの段階に合った治し方を守ることです。
急性期で効果的な方法は慢性期や回復期に当てはまらないので、症状の段階に合った方法でケアしましょう。

段階別の治し方のポイントは以下のとおりです。

五十肩の治し方:急性期は安静にして冷やす

肩関節周辺の組織に炎症が起き、強い痛みがある五十肩の急性期は、なるべく安静にして肩や腕を動かさないようにしましょう。

急性期に無理して動かすと、炎症が悪化して治りが遅くなる可能性が高くなります。
家事をおこなう際は、動かさないようにテーピングで固定するなどして、できるだけ動かさないよう心がけましょう。

加えて、炎症を抑えるために冷湿布やアイスパックなどを使って冷やすのがおすすめです。
アイスパックが肌に直接触れると凍傷のリスクがあるので、タオルで巻くなどして肌に直接触れないようにしましょう。

五十肩の治し方:慢性期は意識して動かす

五十肩の治し方:慢性期は意識して動かす

五十肩の慢性期は炎症がおさまり、痛みも和らぐので意識的に動かすようおすすめします。

まだ痛いからと動かさずにいると、肩関節周辺が硬くなって肩が動きにくくなってしまいます。
慢性期に入ったら安静にするのではなく、様子を見ながら少しずつ動かすことが大切です。

加えて、五十肩の慢性期には冷湿布の使用はやめ、温湿布などを使って温めるよう意識しましょう。
温めることで患部の血行を促進し、痛みの緩和や治癒を促す効果が期待できます。

五十肩の慢性期におすすめの体操とストレッチを紹介するので、ぜひ実践してみてください。

振り子体操

腕を前後左右に振り子のように動かす体操です。

  1. 痛くないほうの手をテーブルや椅子の背もたれ部分につき、上半身を少し前屈みにする。
  2. 痛みがあるほうの腕は力を抜いて垂らし、前後左右に10回程度動かす。
  3. 今度は床に向かって小さな円を描くように回す。

最初はそれぞれ10回程度、慣れてきたら20回を目安に腕を動かしましょう。痛みが軽減したら、ペットボトルや軽めのダンベルを持っておこなうのもおすすめです。

肩甲骨を上下に動かす体操

椅子に座ったまま肩甲骨を上下に動かして、肩の可動域を広げる運動です。

  1. 姿勢を正して椅子に腰掛け、両手は力を抜いて体の横に垂らす。
  2. 肩をゆっくりと上げていく。このときに背骨が動かないように注意して、肩を耳のほうに近づける。
  3. ゆっくりと肩を下げる。(できるだけ肩を耳から遠ざけるイメージ)
  4. 2~3の肩の上げ下げを5~10回程度繰り返す。

座ってやるのが簡単にできる場合は、四つん這いになって同様に肩を上下させる運動に挑戦してみましょう。

  1. 四つん這いになる。肩から手首までが床に垂直になるようにする。
  2. 肩甲骨を頭に向かってゆっくりと近づける。このときに頭や背骨、腰は動かさずにヒジを伸ばしたまま、肩甲骨だけを動かす。
  3. 今度は肩甲骨を頭からゆっくりと遠ざける。
  4. 2~3の動きを5~10回程度おこなう。

手首が痛い場合は、手をグーの状態にしておこなうとやりやすくなります。

内施(ないせん)方向への肩のストレッチ

五十肩の痛みが軽減してきたら、肩のストレッチもおこないましょう。

  1. 背中に手を回し、手をお尻の位置に置く。
  2. 痛みがあるほうの手を反対側の手でつかんで、上に向かって引き上げる。
  3. そのままの姿勢で数秒間キープ。
  4. 手を下ろして力を抜く。

五十肩の回復を促すのにも良いストレッチなので、毎日数回でもやるようにしてみてください。

五十肩の治し方:回復期はしっかりとストレッチ

五十肩は回復期になると、痛みや肩の可動域の制限も緩和します。
この期間に安静にしてしまうと、肩関節や筋肉が硬くなって肩が動かなくなり、痛みが持続する可能性があるので、しっかりと動かすことが大切です。

慢性期と同様の体操を継続しておこなうようおすすめします。
少しずつ回数を増やしたり、負荷を増やしたりして運動量を増やすのも良いでしょう。

また、空き時間などを使って肩や首のストレッチをおこない、肩の可動域を広げることも意識するようにしてください。

五十肩は治るまでに2年間ほどかかることがあります。
全然良くなっていないように思えることもあるかもしれませんが、焦らず気長にケアを継続していきましょう。

五十肩は整体でも改善できる

五十肩は整体でも改善できる

五十肩で悩んでいる方は、整体に通うのもおすすめです。
整体では体の歪みを矯正し、関節や筋肉の硬さを和らげる施術をおこなうため、五十肩の改善が期待できます。

セルフでの治し方を試してみたけれど、自力では難しく感じる方はもちろん、早期回復を目指す方もセルフケアをやりつつ整体に通うと良いでしょう。

五十肩のケアのために整体院を探している方は、整体院「ほぐすん」にご相談ください。
「ほぐすん」では患者様一人ひとりの状態を把握したうえで、根本原因にアプローチする施術をおこなっています。

肩甲骨をしっかりと動かせるようにケアしていくので、五十肩のつらい症状が徐々に緩和しますよ。
また、巻き肩や猫背などの悪い姿勢もしっかりと矯正していくため、五十肩の再発防止にもつながります。

五十肩でお悩みの方はもちろん、肩の痛みが肩こりによるものなのか判断できない方もお気軽にご相談ください。

五十肩で痛くて眠れないときの対処方法

五十肩で痛くて眠れないときの対処方法

五十肩になると、夜間の就寝時に痛みが出ることがあります。
状態によっては痛みで目が覚めて夜間に眠れないこともあり、睡眠不足に悩まされる方も少なくありません。

五十肩で痛くて眠れないときは、以下の方法を試してみましょう。

タオルで肩を安定させる

肩が不安定だと痛みが出やすいので、タオルを使って肩を安定させましょう。
タオルで肩の支えを作るイメージです。

肩の冷え防止にもつながるおすすめの方法です。

痛いほうの肩を上向きにする

肩関節は外側を向くと負荷がかかるため、痛いほうの肩を上向きにして肩関節が内側を向くようにして寝ると痛みが軽減されます。

ただし、肩があまりにも内側に入りすぎると、それも痛みにつながります。
横向きに寝る際は、抱き枕などを使用して肩が一定の高さをキープできるようにしましょう。

枕の高さを調整する

枕が低いと、首から肩周辺の緊張を高めるため痛みにつながりますし、逆に枕が高いと、首から肩周辺の筋肉が引き伸ばされて痛みが増加します。

首から肩周辺に負担がかからないように、枕をちょうど良い高さに調整しましょう。
枕が低い場合はタオルなどを使って微調整するのもおすすめです。

大きめの腹巻きを使って腕を固定する

腕が動くと痛むので、大きめの腹巻きを着用し、五十肩のほうの腕を腹巻きのなかに入れて体に軽く固定しましょう。
腕の動きが抑えられる分、肩関節が安定して楽になります。

まとめ

五十肩の治し方のポイントは、急性期・慢性期・回復期と五十肩の状態に合わせたケアをおこなうことです。
ケアの方法が症状の段階と合っていないと、五十肩の悪化や治りが遅くなる原因となります。

セルフでの判断が難しい場合は、整体や整形外科に通うなどして、適切に対処するようにしましょう。

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